麒麟
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夕暮れの空にぽっかりと浮いている雲。
行徳橋の上で、信号待ちをしながら撮影した。
良く見ると、キリンビールのラベルに描かれている「麒麟」が振り向いたような形と、顔も見える。
そういえば、何故、ラベルの麒麟は首が長くないのか?
そんな事を以前に調べてみた事がある。
それは、キリン=麒麟ではないというのが、この答えだった。
中国明代の武将「鄭和」による南海遠征で、分遣隊がアフリカ東岸諸国から持ちかえり、1491年、明の第三代皇帝「永楽帝」に献上した動物(キリン・ライオン・ヒョウ・ダチョウ・シマウマ・サイなど)があった。皇帝は、それらの動物の中で特にキリンを気に入ったと云う。
それは、キリンが中国古代の想像上の獣である「麒麟」に姿が似ていたから。
その想像上の「麒麟」とは、体が「鹿」、尾は「牛」、蹄は「馬」、額は「狼」、頭には一本の角があり、体毛は黄色、背には五彩の毛がある。
これは、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物「瑞獣」であり、鳳凰、霊亀、応龍と並んで、「四霊」と総称されると云う。
キリンビールのラベルは、この「麒麟」を描いている。
後に、この故事が起源となって、日本では首の長い動物に「キリン」という和名がつけられた。
「麒麟」を、日本語で「きりん」と読んだのであろう事は想像も容易い。
もちろん中国語読みで「キリン」ではないのだが、拼音を調べてみたら、「qi2 lin2」だった。カタカナで書けば「チリン」なので、似ていなくもない。
今年の干支は「午」。
「麒麟」の蹄は「馬」なので、「馬」との絡みもある。だから・・・
この雲は、多少強引だが躍動する「馬」を描いた天の悪戯という事で・・・・・
余談だが、キリンビールのラベルに描かれている麒麟の絵には、「キ」「リ」「ン」の隠し文字があるらしい。
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